受験数学予備校

大学受験数学のブログです。数学、勉強法、参考書紹介などをしていくつもりです。学校や塾では聞けないここだけの数学の本質などをお話しできたらいいなと思っております。

確率【初級編】〜確率の定義ちゃんとわかりますか?〜

確率苦手な人っておそらく適当に確率を掛け算とか足し算とかして結果1超えてるじゃん、とかマイナスになったとかよく起こると思います。
確率はある条件が揃ってないと掛け算とかしてはいけないのです。
そういったことはいずれお話しするとして、まずは確率の基本的な部分をみていきましょう!

 

さて、確率の基本は
求める事象/全事象
なのですが、これだけでは定義は不十分です。

例えば、「サイコロを振って五が出る確率を求めよ。」という問題。


誤った解答
全事象は
・サイコロを振って5が出る

・サイコロを振って5以外がでる
の2通りなので答えは1/2

 

さて、バカにしてるような誤解答ですけども、なぜ間違っているかわかりますか?

それは引き合いに出してる事象が対等ではないからです。

 

それでは確率の定義について!

 

まず、「試行」を行った結果を「事象」という。
また、それ以上事象を細かく分断する必要がない事象のことを「根元事象」or「素事象」という。
わかりづらいんで例を挙げます。

「サイコロを一回ふる」←試行

「4以外がでる」
「偶数がでる」
「奇数がでる」
「4がでる」
…←事象
↓さらに分割
「1がでる」「2がでる」…「6がでる」←素事象

みたいな感じです。今「1がでる」「2がでる」…「6がでる」を素事象にとりましたが、素事象のとり方は人それぞれです。「偶数がでる」「奇数がでる」を素事象にとってももちろん構いません。


(自分で作った)素事象がすべて対等なとき(数学用語では同様に確からしという)、素事象を全て集めた集合を標本空間Sという。

 

このとき事象A∈Sの起こる確率P(A):=#A/#Sと定義する。

(#AとはAの要素数のこと。というか本当は濃度という概念ですが、今は要素数で問題ないです)

以上が確率の定義です!

ポイントは「自分は何を素事象にとっているか?」です。

そして「それを答案にしっかり書くこと」です。

でないと解答を読む人は、「何を素事象にとっていて、何を数えてるか?」が伝わらないです!

 

では、めちゃめちゃ簡単な問題で答案例を2つ作ってみます。

つまり、2種類の素事象の取り方をしてみます。

問題

サイコロを一回振って奇数がでる確率を求めよ。

 

解答1

「サイコロを一回振る」という事象を素事象にとって、標本空間Sをつくると、どの素事象も同様に確からしい。このとき、#S=6。

「奇数がでる」事象をAとすると、#A=3

よって、p(A)=#A/#S=3/6=1/2 ▪️

 

解答2

「サイコロ振って偶数がでる、奇数がでる」を素事象にとって標本空間Tをつくると、素事象は同様に確からしい。#T=2

奇数がでるという事象をBとすると#B=1であるから

p(B)=1/2 ▪️

 

以上のように答案を書くと採点者も部分点をあげやすくなりますし、自分が何を数えなきゃいけないのかが整理できるし、いいことづくめだと思います。