2変数関数の最大値最小値問題〜順像法、逆像法の考え方はこうだ!〜
2変数関数の最大値最小値について、問題を実際に使って解説しようと思います!
途中の発想の過程みたいなものを書いてるので、そこで考え方を身につけてもらえたらなと思います。
問
a,bを実数とする。
以下の4つの不等式を満たす点(x,y)全体からなる領域をDとする。
x+3y≧a
3x+y≧b
x≧0
y≧0
Dにおけるx+yの最小値を求めよ。
解答の前に、、
さて、まず問題の意味を考えましょうか。
「領域D内の点(x,y)をx+yに入れたときのx+yの最小値を求めよ」
砕いて言うと
「領域D内の点をx+yに放り込んだときの最小値をだせ」
ですね。
なら問題の意味に従って
<方針1>(というか頭の中、、)
領域D内の点を全てz=x+yに代入しよう!
……が当然D内の点は無数にあって何百万年あっても終わらない。。
→じゃあ
・x=0上の点について調べてみよう!
このとき、z=yなので
zはz≧0、z≧b、z≧a/3を満たす
よってzの最小値は0かbかa/3だ!
・x=1上の点について調べてみよう!
…
(この考え方を一般化して)
・x=k上の点について調べてみよう。
という流れ。
所謂、順像法とか一文字固定法とか予選決勝法ですね。
さて、もう一回問題に戻りましょうか。
繰り返しますが問題は
「D内の点をx+yに放り込んだときの最小値を求めよ」
方針1は
D内の点全部放り込めばわかるじゃん
って発想でした。
でも別の見方もできます。
x+yってどんな値になるのかなあ?
って感じです。
<方針2>
x+yってどんな値になるのかなあ?
(x+yの値域をWとすると)
例えば
・x+y=0ってなりうるかなあ?
x+y=0になりうる(0∈W)
⇔x+y=0となるような(x,y)がDの中にある
・x+y=1ってなりうるなかなあ?
x+y=1になりうる(1∈W)
⇔x+y=1となるような(x,y)がDの中にある
・・・(一般化して)
・x+y=αってなりうるかなあ?
α∈W
⇔x+y=αとなるような(x,y)がDの中にある
って感じです。
所謂、逆像法とか逆手流とかいうやつです。
まあこれでほとんど言いたいことは言ったのですが一応解答を←
解答
方針1
z=x+yとおく。
x=t(t≧0)で固定し、このときのzの最小値をsとすると、
z=y+tであり、yは
3y≧a-u
y≧b-3u
y≧0
を満たす。
今、yz平面においてz=y+tは傾き1の直線を表すので、zが最小となるのはyが最小となるときだから
s=min{0,b-3u,(a-u)/3}
次に、uをu≧0で動かすと
…頑張って場合分け
方針2
x+yの値域をWとおくと
u∈W
⇔x+y=uとなる(x,y)がDの中に存在する…※※
⇔[x+3y≧a かつ 3x+y≧b かつ x≧0 かつ y≧0 かつ x+y=u]となるx,yが存在する
⇔[3u-2x≧a かつ 2x+u≧b かつ x≧0 かつ u-x≧0 かつ y=u-x]となるx,yが存在する
⇔[0≦x≦u かつ (b-u)/2≦x≦(3u-a)/2]となるxが存在する
⇔0≦u かつ b-u≦3u-a かつ 0≦(3u-a)/2 かつ (b-u)/2≦u
⇔0≦u かつ (a+b)/4≦u かつ a/3≦u かつ b/3≦u
よって、x+yの最小値をmとおくと
m=max{0,a/3,b/3,(a+b)/4}
である。
(i)0≧a/3かつ0≧b/3かつ0≧(a+b)/4
すなわち0≧aかつ0≧bのとき
m=0
(ii)0≦a/3またはb/3≦a/3または(a+b)/4≦a/3
すなわち0≦aかつb≦aのとき
m=a/3
(iii)0≦b/3かつa/3≦b/3かつ(a+b)/4≦b/3
すなわちb≦0かつb≦aのとき
m=b/3
(iV)0≦(a+b)/4かつa/3≦(a+b)/4かつb/3≦(a+b)/4
すなわち0≦a+bかつa≦3bかつb≦3aのとき
m=(a+b)/4 ▪️
ちなみに
方針2の※※以下からx+y=uと領域Dとの共有点条件を求めにいってもできますが、領域Dの形での場合分けを考察するのが大変なので、避けました。
実践的には、共有点条件を頭によぎらないのはまずいですね。
だから
共有点条件でいけるかなあ?
→領域Dの場合分けがきつい
→じゃあ式で攻めよう
という発想がグッド!