受験数学予備校

大学受験数学のブログです。数学、勉強法、参考書紹介などをしていくつもりです。学校や塾では聞けないここだけの数学の本質などをお話しできたらいいなと思っております。

軌跡、通過領域〜パラメータ消去しろ!は大嘘だ!〜

論理の話をしてきたので、それが活用しやすい分野「軌跡、通過領域」について。

たしか高校だと数学Bでやるやつですね!

まず、最初に言っておきたいことは

「パラメータを消去すれば軌跡が求まる」 というのは嘘です!

意外と信じ込まれがち、、というか学校でそう習うんですかね。

以下、この理由を軌跡、通過領域の説明もかねて書いていきますね。

例を用いて、説明していきます。

問題

「x=t^2…①、y=t^4…②のとき、点(x,y)の通過領域を求めよ」

 

超論外の解答

①を②に代入して y=x^2 これが求める領域である。▪️

 

よくある論外の解答

①を②に代入して y=x^2 また①よりx≧0 ∴求める領域はy=x^2のx≧0の部分。▪️

さて、なぜ上の解答がダメなのか?の前に、そもそも「軌跡を求めよ、図示せよ」とは何なのか?

与えられた式、今の場合x=t^2かつy=t^4の真理集合を求めよ(図示せよ)ということ。

だから、与えられた式よりも条件が緩くなったりしてはいけないわけです。題意の領域より広くなりますからね。

まあ、つまり「軌跡を求めよ」は「同値変形してください」(または必要性と十分性をしっかり示せ)ってことなんです。

だから、先ほどの解答のなにが間違えかもうおわかりですよね?

超論外の方は、 ①②がx、y、tの条件なのにtをガン無視してる、つまり ①②⇒y=x^2 と完全に同値性崩れてますんで×

論外の方は、答えはあってますが、 ①②⇒y=x^2 ①⇒x≧0 よって、①②⇒y=x^2かつx≧0という必要条件での論証になっているんで×

こういう記述すると、「答えがたまたま合ってるにすぎない」ととられる可能性があります。

とりあえず式変形などで「∴、代入」などを用いたときは「⇒」の意味で取られるんで注意してくださいね。

 

正しい解答

①かつ② ⇔x=t^2かつy=x^2…③ ③において、tを実数全体で動かすと、x≧0で動くから求める通過領域は y=x^2のx≧0の部分。▪️

 

このように、「パラメータを残しながら同値変形→最後にtを動かしたときのxがどう動くか調べる」 というのが基本になります。どうしてもtを残しての同値変形がいやなら、∃tで考えましょう

そもそも、軌跡の意味は、「t=0、1、2、e、π、100、…のときの(x、y)をかき集めたものを求めて下さい」ってことですから、∃と相性抜群なのは、以前の論理の記事で話したんでおわかりですよね。

だから

∃t、s.t①かつ② ⇔y=x^2かつx≧0

って答案もありですね。

とにかく、「同値性について気にしてますよ。パラメータを消去すれば軌跡がでる(笑)なんてアホな間違ったことであり、軌跡の意味ちゃんとわかってますよ」というアピールが重要だと思います。