受験数学予備校

大学受験数学のブログです。数学、勉強法、参考書紹介などをしていくつもりです。学校や塾では聞けないここだけの数学の本質などをお話しできたらいいなと思っております。

答案を適当に書くと0点!?答案は論理を使ってこう書け!

まず、すべての問題で論理を気にしなくてはならないのですが、特に気にしなくてはならない問題は、
①~の条件を求めよ
②方程式、a(未知数)を求めよ、軌跡、通過領域、2変数関数の値域など真理集合絡みの問題

この二つですね。

①について
数学問題文での’条件’は’必要十分条件’のことなんで同値性を気にしないといけないのは当たり前です。適当に、答案を書くのは厳禁です。プロの目からは、こいつわかってないなとすぐバレます。  そして、答えがあっていても、点数が消え去ります。

②について
たとえば、軌跡の問題。問題文のパラメータ表示された式の示す図と最終的に変形していった式の図が一致しなければならないです。なのに、同値性を気にせず、「⇒」で変形していくと、真理集合が広がる可能性があるので、意識して同値変形しましょう。
(前にも書きましたが⇒は 京大にいる⇒京都にいる 札幌にいる⇒北海道にいる みたいに 狭い⇒広い のイメージなので)

よって、自分は理解してるとアピールするために「終始同値変形する」もしくは「必要条件で変形していき、最後に十分性を示す」のどちらかを、「答案にはっきり示す」必要があるわけです
(∵必要条件(もしくは答案上で同値性を強調せず)で変形して答えがあってたとしてもそれはたまたま合ってるにすぎないと当然とられる)

方程式とか未知数求めよみたいな問題も同様です。
⇒で変形していくと「求める真理集合+α」になってる可能性があります。
例えば、求める答えがx=1なのに自分の導いた答え(らしきもの)がx≧1になる
とかです。
とにかく、答案にはっきり「同値性を気にしてます」ということを示す。
(同値変形、必要、十分などをしっかり明記するなどの手段で)
これが大切です。

例題
連立方程式
y=x-1…①
x^2+y^2=1…②
を解け。
なめるなと思うかもしれませんが答案書いてみて下さい。


①を②に代入して
2x^2-2x+1=1 ∴x=0、1
これを①に代入して(※)
y=-1、0
∴(x、y)=(0、-1)、(1、0) 

とやった方は少なくないはず。
しかし、これはよくない例です。こうやった方は、なんで※のところで②に代入しなかったんですか?②に代入したら解(らしきもの)が変わりますよね。

まず、この答えの書き方のどこがよろしくないのかについて。

基本的に代入しっぱなしだと同値性が崩れます。 

「①を②に代入してx=0、1、これを①に代入してy=-1、0」
っていうのは、つまり、「①かつ②⇒x=0、1∴y=-1、0」って書いてるのと同じことです。
なぜなら、①かつ②は「xとyの条件」なのにx=0、1は「xの条件」になってるから明らかに条件が緩くなってる
つまり、この変形で得られたものは「解らしきもの」であって、答えがあってたとしても、たまたまでしかないわけです。

①かつ②
⇔x=0、1かつ①
⇔(x、y)=(0、-1)、(1、0)
ってちゃんと代入したら代入した方を残して書かないと、同値性が保たれないことがあるわけです。

最後に

以上の例で、なんで論理を気にしないといけないのか少し掴めたでしょうか?

論理を用いて解を導き出さないと、所詮「解らしきもの」でしかないわけです。

なので、皆さん問題を解くときは論理を気にしてみてください!

単純明快!論理はこれを読むだけでスッキリ!

おそらく、学校で習ったとき、なんの役に立つの?と思った方が多いと思いますが、とても重要です。だからこそ最初に論理と集合について話します。

 

論理記号とは

論理記号は、いわば数学という国の母国語です。日本では、日本語。アメリカでは、英語。これらと同様で、数学では論理記号なのです。意外と、皆さんおろそかにしがちですが、数学をやる以上、論理記号を身につけるのは、とても重要です。では論理記号について見ていきましょう!

論理記号一覧

以下,P(x)はあるxについての条件とします左(論理記号);右(読み方) A∨B ;AまたはBA∧B ;AかつB∃x,s.t.P(x) ;P(x)を満たすようなxが存在する(ちなみにs.tはsuch thatの略)∀x,P(x) ;全て(任意)のxでP(x)が成り立つA⇒B ;AならばBA⇔B ;AとBは同値

 

論理記号のイメージ

論理記号は、イメージを持つことが大事です。では、どんなイメージなのかをお話しましょう。

 

・A∨B(AまたはB)
我々が日常で使う「または」とは若干意味合いが違います。数学で「A∨B」というと、A、Bどちらか一方、もしくは両方って意味です。
例えば、喫茶店で「飲み物はコーヒーまたは紅茶をお選び下さい」
って言われたら、普通の人は、「コーヒーで」もしくは、「紅茶で」と一方だけを選びます。
ですが、数学屋さんは「コーヒーで」、「紅茶で」、「コーヒーと紅茶で」の3パターンの答え方があるのです。

A∨Bは、A,Bをのりでくっつけるイメージを持つのが良いと思います。

 

・A∧B(AかつB)
AとB両方とも満たす、って意味です。普通の日本語のかつと大体同じ意味です。

A∧Bのイメージは、AをBで切り取るイメージです。・∃x,s.t.P(x)

「∃」は「または」の集まりのイメージです。

つまり、∃x,P(x)とは、P(0)∨P(1)∨P(π)∨P(-50)∨……

って感じのイメージです。

・∀x,P(x)

「∀」は∧の集まりのイメージです。

つまり、P(0)∧P(1)∧P(π)∧P(100)∧………

ってイメージです。 

・A⇒B
これのイメージは、狭い所⇒狭い所を含むそれより広い所。
もうちょい具体的なイメージをかくと
東京⇒日本
日本⇒アジア
アジア⇒地球
地球⇒太陽系
みたいなイメージです。  

特に(A⇒B)∧(B⇒A)のとき、A⇔Bとかき、AとBは同値であるといいます。で、意外と「⇔」は安易に用いられがちですが、試験で同値でないとき「⇔」使ったら点数消え去りますので、注意してください。  長くなってしまいましたが、上記のように、論理記号はイメージを持っていれば、扱いやすいので、ぜひ身につけて下さいね!

 

このブログについて

このブログでは、高校数学を、高校や普通の予備校とは、違った方法でアプローチしていくブログです。

一般に、高校や予備校では、「公式暗記」「解法暗記」をし、それらを当てはめて問題を解くといった教え方をされる場合がほとんどです。

こんな勉強の仕方だと、数学が楽しくないと思います。考えてこそ数学です。

ですから、このブログでは、高校生にもわかるように、「公式の意味」「なぜこの解法が思いついたのか」など思考の過程などを紹介しながら、数学を楽しく紹介していけたらな、と思います。

また、科学的に正しいと言われている勉強法や、お勧めの参考書なども紹介できたらなと思います。